マサトさんが先日、湯河原町のサル被害を取り上げた読売テレビニュースの取材に登場しました。
観光地にとって、積極的に発信したい内容ではないかもしれません。番組では、柿などの農作物への被害、市街地への出没、そして男性がサルに襲われて病院へ搬送された事例が紹介されています。湯河原町は神奈川県にT1群の全頭捕獲を前提とした対策を求めていますが、保護対象でもあるため、問題は単純ではありません。
私が知っているマサトさんは、湯河原を「訪れる場所」ではなく、「人が暮らし、手を動かしている場所」として教えてくれた人です。
私が湯河原へ通い始めた頃、一緒に耕作放棄地で作業をしたり、竹を切ったり、ツリーハウスを作ったり、食事をしたりしました。普通の観光サイトを見ているだけでは見つけられない場所も、たくさん案内してもらいました。
何か面白いものを見つけると、マサトさんはよく「ほら、これ」と教えてくれました。その自然な優しさと開放的な態度が、私にとって湯河原をただの旅行先ではなく、歓迎されていると感じられる場所にしてくれました。
サルも、同じ風景の中にいました。遠くから一匹見かけるだけなら、自然の豊かさを感じる出来事に見えるかもしれません。しかし、群れが畑や庭に入り、農作物を食べ、道路に居座り、人に近づくようになると、話はまったく違ってきます。

湯河原町によると、西湘地域に残るT1群は約20頭で、主に温泉場、宮上、宮下、城堀周辺で活動しています。農業被害だけでなく、家屋への侵入、網戸や雨どいの破損、ふん害、人的被害も報告されています。
畑を維持している人にとって、この問題はとても直接的です。食べ物を育てるには、時間も体力も根気も必要です。何か月もかけて育てた作物が動物に食べられてしまうことは、単なる野生動物対策ではありません。誰かが積み重ねてきた仕事そのものが失われるということです。
テレビ番組は被害の状況や行政上の問題を伝えることができます。そしてマサトさんのような人は、その土地を耕し、手入れし、誰かと分かち合おうとしている人にとって、畑や山がどのような意味を持つのかを伝えることができます。
湯河原は温泉の町です。同時に、畑や山の斜面、古い家、そして観光客からは見えにくい場所を守っている人たちの町でもあります。湯河原の美しさと難しさは、同じ地形や自然から生まれていることがあります。
今回の報道にマサトさんの姿があったことを、私は嬉しく思います。マサトさんは長い間、この湯河原の一面を多くの人に見せてきました。私も、その一人です。
